【タイヤのメンテナンスを意識すべき理由とは?】
自動車のメンテでは、たくさんのやるべきことがあります。
オイルや冷却水のチェックや交換、定期的な消耗パーツの交換、
車検ごとに行う点検などです。
やることが多いので、ついつい忘れがちになってしまうのがタイヤのメンテナンスです。
しかし、このパーツのメンテというのはとても大事ですので、
むしろ他のパーツよりもしっかりと意識して行うべきなのです。
実際に、高速道路や市街地で何らかの故障トラブルが発生するケースでは、
かなり高い割合でパンクやバーストなど、車輪に関わる問題が起こっています。
それもそのはずで、軽自動車の重量でも1トン程度ありますが、
その重量をすべてたった4本の車輪で支えています。
その大きな負担がかかるパーツがしっかりとメンテされていないと、
当然パンクなどのトラブルをすぐに引き起こしてしまうのです。
参照元:https://www.taiyakan.co.jp
また、常に見えるところにあるパーツですので、
さっと見て何の問題もないように感じられるのでそのままにしておくという人も多いものです。
しかし、軽く見て問題がないとしても、
実のところゴムの劣化や異物が刺さっているなどの理由で、
かなり危険な状態に陥っていることもあります。
また、写真のようなタイヤサイドの傷も大変危険な状態です。
日ごろからきちんと確認して、
問題がない状態にあるかどうかを意識するのはとても大事なのです。
そのためにも、ある程度期間を決めて、
タイヤのメンテナンスを行うように決めておくのがおすすめです。
そうすることで、意識的にゴムの状態を確実にチェックできるようになるからです。
【空気圧はこまめにチェックするのがベスト】
タイヤのメンテナンスの中でも、最も頻繁に行う必要があるのが空気圧のチェックと調整です。
前述のとおり車輪には常にかなりの負荷がかかっていますし、
何もしなくても、エアーは徐々に抜けています。
そのため、できれば一か月に一回くらいは空気圧のチェックをするようにしましょう。
ガソリンエンジンに行ってガソリンを入れる時に、
ついでにスタッフに依頼してチェックしてもらうだけでいいので、とても簡単にできます。
空気圧は車によって適正な数値というのが決められています。
その指定圧は、ピラーというところに記載されています。
運転席側のドアを開けて、フレームの下の方を見ると、
下の写真のような白色もしくは銀色のシールが貼られているのが見えるはずです。
参照元:https://www.webcartop.jp
そこに、いろいろな数値が書かれていますが、
そこにタイヤ空気圧の数値が書かれているはずです。
それが指定されている空気圧ですので、
その数字をスタッフに教えれば問題ありません。
もし、よく分からないのであれば、
スタッフに一緒に探してもらうこともできるでしょう。
そして、空気圧が足りないようであれば、
すぐにエアーを入れてもらいます。
逆に空気圧が高いようであれば、空気をちょっと抜いてもらい、
指定されている空気圧になるようにします。
このようにして、定期的に空気圧をチェックしてもらいますが、
もし行く度に空気が抜けているということであれば、タイヤの状態がおかしい可能性が大です。
小さな金属片を踏んでしまって、
そこからエアーが少しずつ抜けていっているかもしれません。
もしくはバルブが劣化していて、
やはり少しずつ空気漏れが起きている可能性もあります。
もし、常に空気を入れないといけない状態にあるのであれば、
そのことを伝えてどこから空気が抜けているのかを調べてもらいましょう。
このように、こまめに空気圧についてのチェックと調整を行うことはとても重要です。
というのも、空気圧が高くても低くても、
タイヤの状態を悪化させることになりますし、乗り心地も悪くなるからです。
空気が入り過ぎている状態だと、ゴムがパンパンになりますので、
盛り上がっている部分にばかり負荷がかかり、その部分が余計にすり減ってしまいます。
ゴムが片減りしてしまって寿命が一気に縮まります。
また、パンパンの状態だと衝撃を吸収しづらくなりますので、
ゴツゴツとした乗り心地になってしまい、快適なドライブができなくなってしまいます。
下手すると、縁石などにぶつかった時にバーストする危険をはらんでいますので、空気の入れ過ぎには注意したいものです。
逆に空気圧が低過ぎるのも問題で、
ゴムがへこんでしまうことになりますので、
余計に地面に接する面積が大きくなり、ハンドルが重くなる、操作がしにくくなるなどの問題が出てきます。
また、タイヤがたわむことで発熱したりカーブをする時にゴムがたわみすぎてしまって、そこからバーストなどが生じることがあります。
最近の製品は、とてもゴムの質が向上していますし、しっかりとした構造を採っていますので、
多少空気圧が減ってしまっても気づきにくく、普通に走れるものです。
そのため、空気圧が低い状態で走り続けてしまうことが多く、
タイヤの寿命を縮めたり、乗り心地が悪い中で知らずに走っていたりすることもあります。
こうした状況を避けるためにも、
見た目や乗った感覚だけで判断せずに、定期的に空気圧をチェックすることが大事なのです。
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【異物がないかどうかのチェックもきちんとする】
タイヤの寿命を一気に縮めるものとして、空気圧の他に異物がゴムに刺さっているという点を挙げることができます。
道路には小さな金属片やネジ、ガラスの破片などが落ちているものです。
知らずにそうしたものを踏んでしまって、
ゴムに刺さっているケースが少なくありません。
今のタイヤは釘を踏み抜いてしまっても、
すぐにパンクして走れなくなるということはありません。
ゴムがその異物を覆うようになっていますので、
すぐに大量の空気が抜けることはなく、しばらく走り続けることができます。
それどころか、細い金属片だとほんと空気が抜けないので、
全く気付かずに長い間走っているということもあるほどです。
しかし、確実に少しずつでも空気は抜けていくことになります。
釘を踏んでから何日、もしくは何週間も経ってから、
なんとなくタイヤの空気が減っていることに気づくというケースもよくあります。
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そのため、洗車する時やガソリンを入れるタイミングなどに、
タイヤを見て異物が刺さっていないかどうかチェックしてみましょう。
ハンドルを右もしくは左にめいっぱいに切って、
タイヤが見やすいようにします。
この時、できれば二人組になって操作をするとやりやすいでしょう。
上から見て見えるところに問題がなかったら、
ちょっとバックもしくは全身してもらって、隠れていた部分を見ます。
こうして全周をくまなく確認することができます。
この際には、溝の奥にも目を向けるのを忘れないようにしましょう。
ゴムの表面に金属片などが刺さっている場合は、
地面にそれが当たるので音がします。
その分発見が早いのですが、
溝の奥に刺さって地面に当たらない状態だと、音もしないので発見が遅れてしまうのです。
すぐにパンクなどのトラブルにならないとしても、
異物が刺さった状態で高速走行をすると、
そこに大きな負荷がかかって一気にパンクしたり、
バーストしたりすることもありますので、できるだけ早い段階で発見して抜くことが大事です。
もし、ゴムに異物が刺さっていることが分かったら、
すぐにタイヤショップや対応できるガソリンスタンドなどに持って行くようにします。
パンク修理キットを持っていて、
異物を抜いた後に穴止めをしてくれて、
そこから空気が漏れないようにしてくれます。
間違っても、自分でペンチなどを使って異物を抜くことはしないようにしましょう。
異物が刺さっているおかげで、
いわば穴に栓がされていて空気があまり抜けない状態になっているからです。
その状態から単に異物を抜くだけだと、
穴だけが残って一気に空気が漏れてしまうことがあります。
そのため、異物が刺さった状態で、
パンク修理できるところに持って行くのがベストなのです。
もちろん、スピードは控えめにして、
慎重に運転しながら車を持って行くようにしましょう。
【タイヤを洗ってきれいにしておく】
空気圧や異物のチェックをまめにすることに加えて、
洗車のたびにタイヤもきれいにしておくのも、大事なメンテナンスの方法です。
タイヤを洗うことによって、
ゴムの劣化を促進する汚れや化学物質などを取り除くことができます。
また、ゴムは油に触れると化学反応で少しずつ劣化してしまう傾向があります。
車を運転すると、どうしても車のパーツに着いているグリスが付着してしまいますし、
道路に飛んだ油分が染みてきます。
そのため、定期的に洗浄することによって、
タイヤを長持ちさせることができるのです。
洗浄の基本としては、できるだけ水のみで洗うというものです。
もちろん、油汚れを落とすためには洗剤を使うのが有効なのですが、
あまり強い洗剤だとゴムの劣化を早めたり、染みを作ってしまったりすることがあります。
そのため、洗剤を使うのであればマイルドな中性洗剤を使い、
濃度も低めにするようにしましょう。
もし、タイヤ洗浄専用の洗剤を持っているのであれば、それを使うのがベストです。
洗浄の手順としては、まず全体に水をかけて、
表面の砂などを落とします。
その後、水をたっぷりと含ませたたわし、
もしくはタイヤ専用のスポンジなどを使って側面をこすっていきます。
ゴムの部分は凹凸がかなりありますので、
角度を変えながらたわしでこすっていくと良いでしょう。
たわしだけで汚れが落ちるのであればいいですが、
もし、表面の油汚れがひどいようであれば、
中性洗剤を付けて頑固な汚れを落とします。
側面を洗い終えたら、地面に接する部分を洗っていきます。
この場合には、外周すべてを洗えるように、
ハンドルを操作してすべての面を露出させながら洗うのが楽です。
その後、ホイールを洗っていきます。
ホイールは奥まで汚れが付いていることが多いので、
柄付きのブラシなどを使うとより楽に洗うことができます。
ここでの注意点は、ホイールによってはメッキ処理がされていて、
ゴシゴシと強くこするとメッキがはがれてしまうこともあるということです。
説明書を見ながら、傷をつけないような方法で洗うようにしましょう。
全体を洗い終えたら、水で洗剤や汚れを落としていきます。
基本的には、ある程度の圧力をかけつつ水で洗い流せば、
きれいに汚れが落ちますので十分です。
最後に、マイクロファイバーなどを使って水気をふきとれば完成です。
洗浄した後に、艶出しのためにスプレーをしたいという人も多くいます。
スプレーをすると、よりきれいに見えますし、
表面にいわばコーティング加工がされて、
汚れが付きにくいというメリットがあります。
しかし、ゴムにはこうしたワックスや化学物質に反応して劣化してしまうことがあります。
また、ほとんどの製品ではゴムから染みてきて、
劣化を防止する老化防止剤という成分が含まれています。
艶出し剤を塗ってしまうと、こうした機能を防いでひび割れなどを助長してしまうことがあります。
こうしたことから、タイヤメーカーでは、
あまり艶出しスプレーなどを使用しない方が良いというコメントを出していることがあります。
もし、艶出しのためのワックススプレーを塗りたいというのであれば、
商品をよく選んで、
ゴムの品質を落とさない成分だけで作られているものを使うようにしましょう。
また、ゴムの部分だけに塗るようにして、
ホイールやブレーキディスクにかからないようにすることを意識します。
また、スプレーを塗ってから、軽くからぶきするようにして、
余計なワックスが残らないようにすることも大事です。
このようにして、タイヤの寿命を持たせる適切なメンテナンスができます。
【使わないタイヤの保管も気を付ける】
雪が降る地域に住んでいる人であれば、
シーズンの変わり目にスタッドレスに履き替えることが多いでしょう。
使わないタイヤは、その間車から外して保管しておきます。
その保管方法ですが、これもきちんとした方法を採らないとタイヤの寿命を縮めることになりかねません。
ゴムは紫外線や温度の大きな変化に弱いので、
屋外に放置するのではなく、
できるだけ室内に保管するようにします。
スペースがない場合でも、
カバーをするなどして、直射日光が当たらないところに置くようにしましょう。
また、長期間保管する場合には、空気を抜いておくのがベストです。
適正空気圧のおよそ半分くらいまで抜いておいて保管すると、
より良い状態で保管できます。
また、置き方は空気を抜いたタイヤの変形の懸念から、
横置きのほうが良いでしょう。
参照元:http://www.tc-umemoto.com
こうしたことを気を付けて保管すれば、
ゴムの劣化を抑えることができて、
よいコンディションで利用できるでしょう。