【今までにない新しいエンジンシステムを作りだしたマツダ】

参照元:https://www.mazda.co.jp/

マツダ自動車は、ロータリーエンジンなど、

他のメーカーが持っていない独自のエンジン技術を開発することに長けています。

 

そのジャンルでマツダは、

さらに新しい技術を開発することに成功しました。

それがスカイアクティブXと呼ばれるエンジンシステムです。

 

この新しい技術によって、

大幅にエンジン効率が向上し、出力アップ、燃費改善が成し遂げられることになりました。

 

つまり、小さいエンジンでも、

従来の高排気量のエンジンと同じような力を出すことができるようになったということを意味します。

 

少ないガソリン、コンパクトな車で、力強い走りができるようになるのです。

こうしたエンジンシステムは、

順次アクセラなどのモデルに搭載されていくことになります。

 

そして、マツダの主要なエンジンシステムとして、

アクセラにとどまらず多くのモデルに標準搭載されることになります。

出典:MAZDA公式YouTube

【新しいスカイアクティブXが成し遂げたこと】

自動車開発の歴史において、常にエンジンシステムの改良が模索されてきました。

そこでの目標は、常により大きなパワーを出せるエンジンです。

 

そして、現在ではそれに加えて環境性能の高いエンジンという項目も加わっています。

 

スカイアクティブXは、その両方のポイントを達成することに成功、

しかも大幅な改善をしているのです。

世界のエンジンシステムを大きく変えることになるかもしれない、画期的な技術と言えます。

数値で言うと、従来のガソリンエンジンの20パーセントから30パーセント程度の燃費向上を見込めます。

 

パワー出力で言うと、トルクアップが10パーセントから30パーセントの向上となります。

 

この数値改善の状態については、マツダ自動車では、

ロードスターなどの2.0リットルクラスのスポーツカーのパワーを、デミオなどの1.5リットルクラスのコンパクトカー程度の小ささで成し遂げられるようになったと比較しています。

それだけ、大きな技術革新が見られるシステムなのです。

 

これによって、とても小さなエンジンであっても、

大きなパワーを出せることになります。

 

より走行性能の高いスポーツかを作れるようになります。

 

世界的な市場においてさらに重要な点としては、

コンパクトな構造で十分な力を出せるようになったため、環境性能を飛躍的に向上させられるということです。

 

今までと同じ大きさのボディーですが、

エンジンを小さくすることができて、燃費がアップするのです。これはスポーツカーだけでなく、ファミリーカー市場にも大きな影響を及ぼすことになります。

 

コンパクトなボディーとエンジンという組み合わせが多くなっているこのジャンルでは、

いかにして小さなエンジンで大きな出力を出すかが課題だったからです。

 

その課題を見事にクリアしたのが、

このスカイアクティブXシステムなのです。

さらに、CO2の削減にも大きく貢献するというのもポイントです。

 

ガソリンを効率よく燃焼させることができますので、

無駄な排ガスを少なくすることができます。

 

そもそも燃焼させるガソリン自体の量も減りますので、

全体的にCO2排出量が大きく減少するのです。

 

こうしたことからも、スカイアクティブXが多方面にわたって、

大きな革新をもたらすことが理解できます。

 

多くの自動車メーカーが開発を急いできたシステムですが、

なかなか成功しなかったという事実があります。

 

 

その中で、量産ができる形での開発に成功したマツダ自動車の技術力の高さは非常に素晴らしいものがあります。

出典:MAZDA公式YouTube

【マツダの主力シリーズに順次搭載されていくことになるスカイアクティブX】

このように、どの面を取っても大きなメリットを生み出す新エンジンシステムは、マツダの未来を支える重要な技術となります。

 

そのため、これからマツダの主力シリーズに順次搭載されていくことになります。

 

アクセラがその一つの代表例で、

ロサンゼルスモーターショー2018年で展示された新型アクセラにおいて、その内容が発表されています。

 

スポーツカーからファミリーカーまで幅広く利用することができるシステムですので、

これから様々なモデルにおいて利用されていくことは間違いありません。

 

現在のパワーユニットの主流は電動モーター、

少なくてもハイブリッドシステムとなっています。

 

その中でも、マツダがガソリンエンジンのシステムにこだわったのには理由があります。

 

それは、自動車の利用が伸びている新興国では、

新しい電動カーやハイブリッドカーの需要がそれほど多くないということです。

 

こうしたシステムの車は、総じて車両価格が高いですし、

やはりメンテナンスをするのに技術が必要です。

 

また、新しいタイプの交換用パーツが従来のガソリン車ほど出回っていないということも理由にあります。

 

電力が不安定なため、日本で増えているプラグインハイブリッドの利用が事実上難しいという事情もあります。

 

このような背景があるため、どの国でも受け入れられるガソリンエンジンの充実に努めたということです。

こうしてスカイアクティブXの開発が進められ、

ついに新型アクセラに搭載され市場に投入されることになりました。

 

日本国内においても様々なモデルで、この新しいシステムを積んだ車が登場することになります。

 

ハイブリッドカーを買うほどの予算がないという人でも、

エコ性能が高く走りが楽しめる車を購入できるという点で、

先進国においても大きなメリットを持っています。

 

このシステムが、少なくてもマツダ自動車の車においてはメインのエンジンとなることが考えられます。

【走りの魅力をさらに向上させた楽しい車となる】

スカイアクティブXは、特に燃費向上の点で大きなメリットを生み出していますが、走行性能という点でも注目できます。

 

前述の通りパワー出力が大幅に向上しているというのが、一つの点です。

 

また、小さなエンジンでも強いパワーを出せるようになっているため、

車の重量を減らし軽やかな走りができるという点も重要です。

 

さらに、エンジンのレスポンスが早くなっているため、

走りの楽しさが増しているのもうれしいところでしょう。

 

というのも、このスカイアクティブXでは、

シリンダーの中に吸気が入る仕組みを持っていないため、瞬時に圧縮されたガソリンと空気の混合気が爆発させることができます。

そのため、吸気の分のタイムロスが生じなくなり、より速い反応が生じるのです。

 

アクセルを踏んで、ちょっと一瞬遅れてから加速感があるというのではなく、

アクセルを踏んだ瞬間に加速することができます。

 

このレスポンスの速さは、車と同化しているような感覚をドライバーに与えることになり、より楽しい運転ができます。

エンジンの軽量化とレスポンスの速さによって、

非常に軽快なドライブが楽しめますので、小さなボディーの車でもスポーツ感を味わえるのが魅力です。

 

アクセラシリーズでは、コンパクトボディーのモデルもありますが、

小さな車体に似合わずパワフルな走りができるという魅力を出してくれることでしょう。

 

新しいボディー構造を採用することにもなっていますので、エンジンとボディーの相乗効果にも期待できます。

【二つの燃焼現象を利用したシステム】

このように、様々なメリットをもたらすスカイアクティブXですが、

その仕組みは従来のエンジンとは大きく異なるため、ガソリンエンジンについての理解を調整する必要があります。

 

従来のガソリンエンジンは、空気とガソリンを混合させ、

そこにスパークプラグで点火して爆発させるという仕組みを持っていました。

 

気体はできるだけ多くの量を、できるだけ圧縮させてから爆発させた方が生じるエネルギーが強いという原則があります。

 

そこで、できるだけ圧縮比を高めて着火させるため、

各社様々な角度で研究を重ねより効率の良いエンジンを作ることに腐心してきました。

そこでマツダは、ガソリンと空気を混ぜて圧縮すると、

ある程度の圧縮比となった段階で、火花がなくても自然発火、異常燃焼してしまうという現象に注目しました。

 

予備圧縮というシステムを考案し、ガソリンと空気の混合気を従来よりも強い力で圧縮させています。

 

そして、まずプラグの点火によって膨張火炎球という炎を作り、

それが周りの混合気をさらに圧縮し、その圧縮された気体が今度はプラグ点火がなくても自然着火するという仕組みを作りました。

 

ここでのポイントは、自然着火が起こるのは、

ガソリンの量が多いかどうかということよりも、ガソリンと空気の二つが混じった混合気の量が多いかどうかという点です。

 

そこで、ガソリンをできるだけ減らし、

空気を増やした状態で混合気を作り、

それを強い力で圧縮することで爆発を起こさせることができるようになりました。

少ないガソリンの量でも爆発を引き起こさせるようになったので、その分燃費が向上しているのです。

この仕組み自体は世界中の多くのメーカーが、

新しいエンジンを作るために利用しているとされています。

 

しかし、空気とガソリンのバランス、自然着火するタイミングの調節などが難しく、

安定したエンジンを作るのは非常に難しいというデメリットがあります。

 

しかし、マツダはこれらの微妙なタイミングを調節するシステムを作ることができ、

このスカイアクティブXとして完成するに至っているのです。

 

特に、たくさんのシミュレーションを実施して、

その結果をコンピューターに取り込んで、

最も効率よくガソリンが燃焼してくれるタイミングを割り出すことに成功したのが大きな点です。

 

この最適バランスが、MAZDA3などの車のコンピューターに実装されていて、

走行状況や外気温などのシチュエーションに合わせて、

細かく調節されていくことになります。

【ハイブリットシステムとの併用でさらにエコ性能が向上する】

スカイアクティブXは、アクセラを始めとする様々なシリーズに搭載されますが、

ガソリンエンジンのみにとどまらず、ハイブリッドシステムとの併用もなされます。

 

アクセラシリーズでもマイルドハイブリッドモデルが登場することになっています。

もともと燃費性能が非常に高いスカイアクティブXに、

さらにハイブリットシステムを搭載するわけですから、

その環境性能は非常に強いものとなります。

 

マツダは人と車が一体となって環境に優しくなっていくということを大事な理念としてしますが、

その理念の具体的な表現とも言えるのが、

こうした新しいモデルと言えるでしょう。

 

スカイアクティブXという新しいガソリンエンジンによって、

しっかりとしたパワーを出し、さらに燃費性能を上げるハイブリッドシステムがつくことで、

どんなシチュエーションでも快適な走りが楽しめるのが魅力となります。

 

市街地の中でもエコドライブができますし、

高速道路や郊外での走行では、ドライバーを満足させるような走行性能を発揮してくれることになります。

 

環境性能と走りの楽しさを同時に追求するのは難しい点もたくさんありますが、

このアクセラシリーズでは見事にその二つの魅力を見せてくれるのです。

このシリーズはまずMazda3という名前で、ヨーロッパを中心に市場に投入されます。

 

この名称は、マツダのグローバルカーとしてすでに使用されているシリーズ名で、日本ではアクセラという名称が引き継がれます。?

これまで続いてきたMazda3もしくはアクセラシリーズの新しいモデルとして販売されるわけですが、

その中身は今までのモデルとは明らかに異なるものです。

 

その大幅に改良された走行性とエコ性能の高さには、

オーナーの驚きの声が上がることでしょう。

 

マツダはもともとクリーンディーゼルの搭載などを、

早い時期から行ってきていて、世界的な自動車事情の動向にとても敏感でした。

 

今回のスカイアクティブXの開発、

実用化も世界戦略の重要な一歩となるのは間違いありません。

日本国内にも早い段階で投入されますので、

マツダのブランド力をさらに強めるのに貢献することでしょう。

 

マツダが世界で初めて開発、実用化に成功した予備圧縮着火のシステムを採用したスカイアクティブXに続いて、

他のメーカーも同じようなエンジンを実用化させてくることが考えられます。

 

これにより、ガソリンエンジンの世界における新しいページが開かれます。

 

ハイブリッドシステムや電動カーの普及が非常に早い勢いで進んではいるものの、

ガソリンエンジン車の割合はこのまま高い状態を維持することが確実です。

 

より高いレベルのガソリンエンジンが開発、搭載されることによって、

より環境に優しい車が増えていくことが期待されています。